見えない幸せ
人は、きっと幸せになれるよと僕に言う。
でも僕は、きっと幸せというものを実感できないと思う。
幸せとは絶対的な感情だから。
僕はどんな境遇にもどんな評価にも満足することがない。
いつも渇望している。
自分の中に充足感を見い出すことができないのだ。
夢を持っている友人がいる。それは、とても小さな夢だ。
友人は、とても幸せそうに自分の夢を語る。
僕から見れば、そんなこと、としか思えないちいさな夢で、
幸せを感じられる彼は本当に幸せな人間だと、うらやましく思う。
でもそう思う僕はとても傲慢でいやな人間だ。
恋をしている友人は時折声を殺して泣いている。
泣く程辛い恋なんて幸せには程遠いように感じる。
けれど友人は、恋に泣けることこそ幸せなのだという。
僕は恋をしていないわけではない。
けれど恋をしている自分が向こう側に見える。
とても冷静で、つまらない恋心だ。
先の見えない人生こそ、幸福への第一歩だと思う。
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